抄録
ヘルスケアシステムにかかわる政策は、次の4層にわけられる分析概念の一環に位置付けられる。(1)「個々の患者・利用者」と「保健・医療・介護従事者(チーム)」の関係、(2)保健・医療・介護サービスの利用と提供の体制、(3)保健政策・医療政策・介護政策、社会保障政策、診療報酬・介護報酬政策、(4)以上のすべてをめぐる政治。前半ではその各々を解説する。
次に政策戦略の要素の一例として、理念(ビジョン)、使命(ミッション)、価値(ヴァリュー)、中核概念(コア・コンセプト)、中核技術(コア・テクノロジー)を提示する。後半では、この5つの要素を(1)日本の介護保険2000年、(2)日本の高齢者ケア2025年、(3)米国の疾病管理1990年代、(4)日本の特定健康診査・特定保健指導にあてはめ、最後に健康診査一般を考察する。