総合健診
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原著
ユーザーテストに基づく望ましい健診結果票のあり方
須賀 万智小田嶋 剛杉森 裕樹中山 健夫
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2013 年 40 巻 6 号 p. 593-603

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抄録

【目的】健診結果票は各施設が独自に作成しており、様式が統一されていない。本研究では、デザインや表現方法を変えた5種類の健診結果票を作成して、ユーザーテストを行い、望ましい健診結果票のあり方を検討した。
【対象】インターネット調査会社の登録モニターの35~59歳男女424名
【方法】全国20施設の健診結果票を調査して、以下の5種類の健診結果票を作成した。票A:有所見項目を記号で示し、最後にアドバイスを記す。票B:項目判定をアルファベットで示す。票C:項目判定を日本語単語で示す。票D:項目判定を一覧表に示す。票E:最初に総合判定を示し、アドバイスを優先順に記す。対象者を性年齢別に無作為に4群に割り付け、各群に2種類の健診結果票を割り当て、その評価を尋ねた。評価項目は理解度、難易度、デザイン(情報量、構成、興味、有益、トーン、文字サイズ、行間)である。
【結果】問題があると判定された全7項目を正しく答えられた(問題項目完答)割合は票Aが最も低く17.0%、票Eが最も高く38.7%であった。票Bは票Aに比べ、問題項目完答割合が高く、難易度が易しく、情報量、構成、興味、トーン、文字サイズが高評価であった。票Cは票Bに比べ、問題項目完答割合が高く、難易度が易しく、情報量、構成、興味、有益が高評価であった。票Dは票Bに比べ、情報量、文字サイズが高評価であった。票Eは票Cに比べ、問題項目完答割合が高く、難易度が易しく、デザイン7項目すべてが高評価であった。また、票Eは改善策を講じたいと考える割合が83.0%と高かった。
【結論】評価結果を総合すると、優れた方から票E>票C>票B≒票D>票Aの順であった。望ましい健診結果票のあり方として、総合判定は必要である、項目別判定一覧表は必ずしも必要とは言えない、アドバイスは最初に置き、優先順に並べた方が良い、項目判定は日本語単語で示した方が良いことが示された。

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© 2013 一般社団法人 日本総合健診医学会
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