総合健診
Online ISSN : 1884-4103
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ISSN-L : 1347-0086
原著
食事バランスと血中貧血検査項目との関係
小島 菜実絵水野 秀一宮原 恵子小田 和人松尾 嘉代子飯出 一秀吉村 良孝田井 健太郎今村 裕行
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 41 巻 2 号 p. 274-282

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抄録

 大学女子バレーボール、テニス、空手道部員42名を対象に貧血の栄養サポートにおける基礎的情報を得ることを目的とし、栄養素等・食品群別摂取状況、血液生化学検査値について検討した。対象者は血清フェリチン値を基に3群(Low、Middle、High群)に分類した。栄養素等摂取量では銅を除いた項目の適正量を3群とも満たしておらず、さらにLow群はクリプトキサンチンおよびビタミンCが有意な低値を示した。血液生化学検査では、3群とも鉄飽和度を除いた全ての項目は基準値内であったが、Low群はヘモグロビンおよび 血清鉄が有意な低値を示し、総鉄結合能および不飽和鉄結合能が有意な高値を示した。以上より、貧血は存在しなかったがLow群のみが前潜在性鉄欠乏を示した。これは、クリプトキサンチンおよびビタミンC不足による非ヘム鉄の吸収効率の低下、および非ヘム鉄の供給不足が一因として考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本総合健診医学会
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