総合健診
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日本総合健診医学会 第47回大会
日本総合健診医学会 第47回大会・シンポジウム2 包括的リスク管理チャートの健診応用 脳心血管病予防のための食事管理の重要性を明確にするためのエビデンスの構築─魚摂取量とCardio-metabolic Riskとの関係─:研究デザインと論理的根拠
谷 樹昌今武 和弘鈴木 康之松尾 礼高橋 敦彦
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 46 巻 5 号 p. 497-503

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抄録

 本研究の目的は1)魚摂取量と心筋梗塞の発症には負の相関関係が認められている。2)魚摂取が心血管代謝危険因子(Cardio-metabolic risk:内臓肥満に起因する動脈硬化を惹起する危険因子:高血圧、脂質異常症、耐糖能異常、及びメタボリックシンドローム)に及ぼす影響は不明な点が多い。4)魚摂取を中心とした食習慣がライフスタイル全般の改善に関与しCardio-metabolic riskの軽減に効果があることが示唆されている。以上を研究背景とし、健康診断受診者を対象に2つの研究手法(横断試験、縦断試験)を用いて多面的に魚摂取量がCardio-metabolic riskに及ぼす効果を明らかにし、魚摂取の動脈硬化性心血管疾患の予防効果を検討することである。魚摂取によるCardio-metabolic riskの改善効果を具体的に示すことが可能になれば食事療法、とりわけ積極的な魚摂取の効果が広く世間一般に周知される。更に脳心血管病の予防のための食事療法の重要性を社会に還元し、予防医学の啓蒙に繋がる可能性がある。本稿では上記の研究を行うにあたり、学術的背景、研究仮説、及び実施計画等を紹介する。本稿は本研究を行うに当たっての研究デザイン/論理的根拠を示した論文である。

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© 2019 一般社団法人 日本総合健診医学会
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