2020 年 47 巻 2 号 p. 323-328
日本型の労働者に対する健康診断のシステムは、企業によっては人間ドックや、がん検診なども含めて「健康診断」という範疇にて実施されている現状がある。労働衛生(産業保健)の分野で行われる健康診断では、医学的サーベイランスと医学的スクリーニングは個別の概念と手法で行われるべきで、労働衛生上明確かつ補完的な二次予防要素と見なされるべきである。本稿では、東アジア諸国(韓国、中華民国(台湾)、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、インド)の労働者に対する健康診断について、その法的な背景を概説しつつ、東アジア諸国の労働者の健康管理について健康診断の現況について文献的検索を試みた。