総合健診
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47 巻, 2 号
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特集
外国人対応医療と総合健診
  • 島﨑 美奈子
    原稿種別: 特集
    2020 年47 巻2 号 p. 301-306
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
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  • 岡村 世里奈
    原稿種別: 特集
    2020 年47 巻2 号 p. 307-314
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
    ジャーナル オープンアクセス

     近年、医療機関においては、外国人患者の増加に伴い、外国人患者の受入れを円滑に行うための受入れ体制の整備の必要性が高まってきている。医療機関において、外国人患者の受入れ体制を整備する際には、①自院における外国人患者の受診状況や外国人患者の受入れに関する自院の課題を正確に把握すること、②利用可能な社会資源や情報を積極的に活用すること、③上記①及び②を踏まえた上で、自院の状況に応じた受入れ体制を構築していくことが重要と考えられる。また、外国人患者に関しては、使用言語だけではなく、医療文化や医療習慣、宗教等も異なってくることを踏まえると、これらの違いに基づくトラブルを防止するためには、事前の「説明」と「同意」を提供するサービス内容についてはもちろんのこと、それ以外のすべての場面においても徹底することが重要と考えられる。

  • 西川 和見
    原稿種別: 特集
    2020 年47 巻2 号 p. 315-322
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
    ジャーナル オープンアクセス
  • 大神 明
    原稿種別: 特集
    2020 年47 巻2 号 p. 323-328
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
    ジャーナル オープンアクセス

     日本型の労働者に対する健康診断のシステムは、企業によっては人間ドックや、がん検診なども含めて「健康診断」という範疇にて実施されている現状がある。労働衛生(産業保健)の分野で行われる健康診断では、医学的サーベイランスと医学的スクリーニングは個別の概念と手法で行われるべきで、労働衛生上明確かつ補完的な二次予防要素と見なされるべきである。本稿では、東アジア諸国(韓国、中華民国(台湾)、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、インド)の労働者に対する健康診断について、その法的な背景を概説しつつ、東アジア諸国の労働者の健康管理について健康診断の現況について文献的検索を試みた。

  • 山崎 薫子, 山崎 力
    原稿種別: 特集
    2020 年47 巻2 号 p. 329-333
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
    ジャーナル オープンアクセス

     国際医療福祉大学および関連施設の山王病院・山王メディカルセンターは、予防医学・医療に卓越した世界最高水準の医師、医療スタッフ、研究者を擁し、高質の医療サービスの提供、幅広い専門家の育成および予防医学・医療研究を行っている。その国際展開の一環として、四半世紀に渡りベトナムホーチミン市の国立チョーライ病院に対して、国際医療福祉大学教職員の派遣、チョーライ病院所属の医療専門職の日本での研修受け入れを行ってきた。チョーライ病院、国際医療福祉大学とキヤノンメディカルシステムズ株式会社は、共同出資による会社設立に向けて基本合意書を取り交わし、ドック健診センター(Health Evaluation & Promotion Center CRH-IUHW)を設立し、2018年9月に日本型人間ドックの共同運営を開始した。さらに、2020年春、ビングループの医療部門ビンメック、国際医療福祉大学、山王病院・山王メディカルセンターを擁する医療法人財団順和会の三者で、ハノイ市において山王(SANNO)の名称を冠した日本型ドック健診センターを開設する。同センターには国際医療福祉大学および順和会所属の医師・看護師・事務責任者が常駐し、日本式人間ドックの指導を行い、また日本製の医療機器・機材、健診システム等の導入を促進する。国際医療福祉大学は引き続き、モンゴル、中国、韓国等との新たな交流活動も計画しており、予防医学・医療の推進を通じて世界貢献に寄与する。

原著
  • 山口 孝子, 松林 重幸, 宮田 明, 小出 靖, 森近 俊彦, 大川 智久, 高野 友爾, 竹内 陽子, 長尾 由紀, 久安 利枝, 折坂 ...
    原稿種別: 原著
    2020 年47 巻2 号 p. 334-344
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
    ジャーナル オープンアクセス

     2012年4月から2017年3月までの5年間に、当協会で協会けんぽの生活習慣病予防健診を受診した35歳~74歳の男性の大腸がん検診(IFOBT 2日法)成績を職業別に比較・検討した。職業分類は日本標準職業分類の大分類をもとにした。職業欄が「未記入」を除いた健診受診者は164,652人、このうち大腸がん検診受診者は150,688人で、期間中92人に大腸がんが発見された。5年間の全体の大腸がん検診受診率は91.5%、要精検率5.5%、精検受診率35.6%、発見率0.061%であった。

     年齢調整後の大腸がん検診成績は、検診受診率は専門的職業、管理的職業、農林漁業の順で高く、運輸・通信、保安、サービスの順で低かった。要精検率は運輸・通信、販売、サービスの順で高く、保安、事務、生産工程・労務の順で低かった。精検受診率は管理的職業、専門的職業、農林漁業の順で高く、運輸・通信、保安、サービスの順で低かった。発見率は農林漁業、運輸・通信、事務の順で高く、保安、管理的職業、専門的職業の順で低かった。健診受診者の深夜業務の割合は、保安73.9%、運輸・通信45.7%、サービス44.0%、生産工程・労務13.9%の順で多かった。

     深夜業務の有る職業では検診受診率、精検受診率、検体2本提出者の割合が低い傾向が見られた。長時間の座位作業、深夜業務等の有る職業では要精検率、発見率が高い傾向が見られた。特に深夜業務と長い座位時間があり、喫煙者の割合も多い運輸・通信は検診受診率、精検受診率が最も低く、要精検率は最も高く、発見率は高かった。深夜業務の有る職業を中心に事業所や産業医と連携し、検体2本提出や精検受診の勧奨をする事で、大腸がん検診受診率、精検受診率向上に繋がる可能性が考えられた。

  • 坂手 誠治
    原稿種別: 原著
    2020 年47 巻2 号 p. 345-351
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
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    【目的】運動習慣を持つ高齢女性のロコモティブシンドローム(ロコモ)の実態を、全国値との比較から明らかにする。

    【方法】対象は、神奈川県内数か所で実施したロコモ測定会の参加者のうち、週1回以上の定期的な運動習慣を持つ女性117名(64-88歳、74.4±4.8歳)とした。

    【結果】ロコモ度判定の結果では、ロコモ度1(LS-1)の該当率は、ロコモ25による結果を除き、全国値よりも有意に低かった。ロコモ度2(LS-2)の該当率では、すべての測定項目で全国値よりも低かった。運動実施頻度とLSの該当の有無には、いずれも有意な関連は認められなかった。ロコモ25における回答より、運動習慣を持つ高齢女性において、LS-1の該当者では、痛み、移動動作に困難を感じる者が含まれていた。LS-2の該当者では、日常生活の多くの動作に困難を感じている者が含まれていることが明らかとなった。

    【まとめ】運動習慣を持つ高齢女性では、ロコモ度テストからみた身体能力については高い傾向であった。以上の結果より、少なくとも週1回以上の定期的な運動習慣は、高齢女性の立つ、歩くといった機能に対して有効であることが示唆された。しかし、ロコモに該当する者の中には、痛みや将来の不安などを感じながら運動を実施している者が一定数含まれていることが明らかとなった。今後、地域の資源の活用や連携を進め、さらなる悪化を防ぐとともに、運動を継続していくための支援が必要である。

  • 根津 清美, 佐藤 ひとみ, 高橋 恵美, 盛内 明子, 後藤 敏和, 菊地 惇
    原稿種別: 原著
    2020 年47 巻2 号 p. 352-356
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
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     高血圧治療ガイドライン2014では診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧を優先するとされ家庭血圧測定は高血圧患者にとり必須といえる。高血圧患者における家庭血圧測定の現状を把握し、併せて高血圧基準についての理解度を評価するために、アンケート調査を行った。2018年6月と7月に当センターを受診した高血圧治療中の患者510(男240、女260、不明10)名、(30歳代0.4、40歳代7.1、50歳代17.8、60歳代39.2、70歳代28.0、80歳代3.5、90歳代0.4%)に対し、問診時にアンケートを配布し、検診終了後に回収した。医師による家庭血圧測定の推奨については、有り72.7、無24.5%、家庭血圧計保有状況は、有り92.3、無5.3%、保有血圧計の種類については、上腕のみ78.6、手首のみ14.7%、両方3.5%。測定頻度については、毎日29.8、週に1~2回15.1、週に3~4回14.7、月に数回19.2、年に数回・測定せず14.3%、測定時の体位については、座位75.5、仰臥位6.0%、測定時刻は朝・夜27.3、朝のみ32.5、夜のみ5.5、決まっていない19.2%、測定前安静時間は、有62.0、無18.6%、1機会の測定回数:1回18.8、2回44.1、1回か2回9.6、3回6.0、4回以上0.6%、記載する測定値は、すべて19.6、最初の値32.0、最後の値6.9、平均値18.2、低い方13.9、高い方2.7%。高血圧基準の理解度は、診療所収縮期140mmHg以上26.0、診療所拡張期90以上25.9%、家庭血圧収縮期135以上15.4、家庭血圧拡張期85以上20.2%であった。4人に1人は医師から家庭血圧測定を勧められていないと認識していた。月に数回のみの測定、および、年に数回・測定せず、の割合は33.5%であった。高血圧基準の正しい理解は、特に家庭血圧において不十分であった。約3分の1を占める、ほとんど家庭血圧を測定していない高血圧患者に対する啓蒙が重要であると考えられた。

短報
  • 村田 淳子, 吉岡 有紀子
    原稿種別: 短報
    2020 年47 巻2 号 p. 357-363
    発行日: 2020/03/10
    公開日: 2020/09/05
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】事業所給食における喫食者の職員食堂(食堂)利用頻度と、利用頻度別の食堂の役割の認識、利用理由及び利用状況を明らかにすること。

    【対象】事業所給食として設置されている神奈川県内A市役所職員食堂を利用する職員88人(男性59人、女性29人)。

    【方法】食堂利用職員に無記名の自記式質問紙調査を実施し、食堂利用頻度が週3回以上(利用頻度高群)と週2回以下(利用頻度低群)の2群で分析した。

    【結果】男女共に半数以上の者が週3回以上食堂を利用していた。食堂を利用しない時の食事内容は、利用頻度高群は外食(購入弁当を含む)を食べる機会が多かった。食堂でよく食べるメニューの上位3位は、利用頻度高群は「麺類」「定食」「カレー」、利用頻度低群は「麺類」「定食」「ヘルシーメニュー」であった。食堂の役割の認識は、利用頻度に関わらず「食事の場」「金銭面のサポート」「身体の健康の保持増進」といった福利厚生や健康管理であった。実際の利用理由及び重視していることは、利用頻度に関わらず「職場から近い」「安く食べられる」「食事に時間がかからない」といった福利厚生であった。

    【考察】事業所給食での従業員の健康管理は、利用頻度高群では平日の昼食に外食が多いことから、食堂をはじめ外食での食事を踏まえた取組みが必要と言える。一方、利用頻度に関わらず食堂を福利厚生や健康管理の役割があると認識しているものの、実際の利用や重視していることは福利厚生面であることから、提供メニューを健康に配慮した内容とすることで、喫食者が意識せずに健康管理の取組につなげることができると考えられる。

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