2021 年 48 巻 5 号 p. 413-420
総合健診の目的は検査異常を発見して終わりではない。異常があれば、それが生活習慣改善や再検査を要する状態なのか、それともしかるべき医療機関に紹介して精密検査や治療を依頼する状態なのかをまず判定する。臨床に円滑につなげていくには、適切な検査項目の選定、紹介状に相当する結果報告書のありかた、などに注意を払っておく必要がある。これらが不適切であると、かかりつけ医を含め臨床との信頼構築を築けないばかりか、受診者も宙に浮いてしまう。そこでとくに結果報告書のありかた、価値の低い検査とその実施により生じる機会費用に焦点をあてた。