2022 年 49 巻 2 号 p. 324-328
新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言が発令され、国民の生活様式は一変した。
在宅勤務により身体活動量が低下し、リモートワークよる眼精疲労、肩こり、頸部痛、腰痛の悪化がみられた。また都市部在住の高齢者は、身体活動量の時間が減少し、フレイルの進行が懸念される。ウィズコロナの生活が続くことで、慢性疾患の悪化、免疫力の低下、筋力の低下、ストレスによるメンタルヘルスの不調を招くことが予想される。
コロナ禍の状況から、健診受診者に対しての運動指導は以下の3つの関わり方を提案する。1つ目は行動科学の視点を踏まえた意識的な保健指導を行うことである。2つ目は健診受診者自身が運動不足であることを認識しているため、その情報から身体活動促進の働きかけをタイムリーに行うことである。3つ目は簡単な体操を一緒に行いながら、コロナ禍の生活で変化した身体を体感してもらうことである。
無理難題な運動を指導しても継続は困難である。まずはコロナ前の身体活動へ戻すことが大切である。