総合健診
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第53回大会
日本総合健診医学会 第53回大会・シンポジウム2 胃X線検査における圧迫法の目的と意義 胃がんX線検診における圧迫法の有用性の検討─病変描出度の観点から─
水町 寿伸中原 慶太高木 優加藤 宏章田村 涼
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2025 年 52 巻 6 号 p. 786-793

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抄録

【目的】胃がんX線検診における圧迫法の有用性を明らかにする。

【対象】当関連施設で実施した胃がんX線検診にて発見された胃癌と胃腺腫71例。

【方法】基準撮影法による二重造影像および圧迫像上の病変形態の明瞭性の程度を「病変描出度」とした。遡求的に得られた内視鏡または切除標本・肉眼所見を基準にし、病変描出度を良好・不良の2区分で判定した。検討1.二重造影像と圧迫像の病変描出度、検討2.病変因子別(①領域、②壁側、③肉眼型、④大きさ)の圧迫像の病変描出度。

【結果】検討1.二重造影像の病変描出度は良好85.9%(61/71)、不良14.1%(10/71)、圧迫像は良好76.1%(54/71)、不良23.9%(17/71)で、二重造影像と圧迫像の病変描出度に有意差を認めなかった。また、二重造影像・不良10例のうち8例で圧迫像・良好となっていた。検討2.病変因子別では、③肉眼型で1~5型が0型に比べ、有意に良好であった以外、①領域、②壁側、④大きさ別で病変描出度の差は認めなかった。

【結論】胃がんX線検診における圧迫法は病変描出に有用であり、二重造影法を補完可能な撮影方法と考えられた。

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