総合健診
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第53回大会
日本総合健診医学会 第53回大会・シンポジウム3 脂肪性肝疾患と代謝異常 -最新知見と病態、管理・指導 脂肪性肝疾患(steatotic liver disease: SLD)の概念・診断・治療
角田 圭雄結束 貴臣海老沼 浩利
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2025 年 52 巻 6 号 p. 794-801

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抄録

 脂肪性肝疾患(SLD)には、代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)、アルコール関連肝疾患(ALD)、薬物性肝障害、およびMASLDとALDの中間的病態として代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)が含まれる。非侵襲的診断法の開発が活況で、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の診断補助として、血清CK-18Fが2024年保険適応となった。CLIONE試験では、肝線維化の程度が肝疾患関連イベントの発症予測に重要な因子であった。肝線維化の非侵襲的診断は、1st stepとしてFIB-4 indexを用い、2nd stepでは超音波エラストグラフィやMRエラストグラフィによる画像診断、または肝線維化マーカーが有用である。肝線維化マーカーとしては、4型コラーゲン7S、Mac2結合蛋白糖鎖異性体などが有用であるが、グローバル標準のELF(enhanced liver fibrosis)testが2024年保険適応となった。慢性肝疾患の早期発見を目指して奈良宣言2023が発出されたが、すべてのステークホルダーから承認されていない。薬物療法については米国食品医薬品局が甲状腺β受容体作動薬(resmetirom)を承認したが、国内では未承認である。GLP-1受容体作動薬(semaglutide)が第三相試験(ESSENCE試験)で、プラセボに比して有意にMASHあるいは肝線維化を改善させたことから、国内でも承認が期待される。またSGLT2阻害薬や、GLP-1/GIP作動薬(tirzepatide)などの糖尿病薬も有望である。高中性脂肪(TG)血症合併例では、pemafibrateがDHA/EPAに勝るとの結果(PORTRAIT試験)から、高TG例にはpemafibrateが推奨される。

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