総合健診
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原著
包括的なヘルスリテラシーとマンモグラフィ検診受診の関連
田口 良子中山 和弘
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ジャーナル オープンアクセス

2026 年 53 巻 2 号 p. 320-329

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抄録

【目的】包括的なヘルスリテラシー(HL)とマンモグラフィ(MMG)検診受診の関連は十分に明らかになっていない。本研究では包括的なHLとMMG検診受診の関連を検討することを目的とした。

【方法】40歳代女性の乳がん非経験者を対象としてインターネット調査を実施して1,068人のデータを収集した。調査項目はHL、MMG検診受診回数、その他人口統計学的変数、健康度自己評価(SRH)、乳がんリスクに関する変数などとした。HLとMMG検診受診の関連は、従属変数を1)MMG検診受診経験(受診回数0回 vs. 1回以上)、2)MMG検診繰り返し受診(同1回のみ vs. 2回以上)、独立変数をHLとその他の変数とする多変量ロジスティック回帰分析にて検討した。また、HLの高低により2群に分けて、検診受診の関連要因の違いを検討した。

【結果】有効回答数は612人であり、HLのレベルは「不十分」が36%、「問題がある」が30%、「十分」が35%であった。HLの検診受診経験に対する調整オッズ比はHLの「十分」を基準値とした時、「不十分」で1.28(95%CI: 0.82-2.00)、「問題がある」で0.87(95%CI: 0.55-1.36)、検診繰り返し受診に対しては、「不十分」で0.72(95%CI: 0.43-1.20)、「問題がある」で1.04(95%CI: 0.59-1.82)であり、HLと検診受診の間には有意な関連がみられなかった。HL高低別の比較では、特に検診受診経験に対してHL低群でSRH、繰り返し受診に対してHL低群で学歴と関連がみられ、関連要因に違いがみられた。

【結論】包括的HLはMMG検診受診に対する直接効果はみられなかった。HL高低により検診受診に影響する要因には違いがみられたことから、HL高低別の特徴に合わせた介入を行うことで検診受診率を高めることが期待できる。

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