2026 年 53 巻 2 号 p. 345-350
【目的】当院では子宮頸がん検診を細胞診単独法で行っており、希望者はhigh risk HPV(hrHPV)検査を受けることが可能である。2021年から3年間の細胞診判定とhrHPV検査結果を集計し、考察を加えた。
【方法】細胞診は液状化検体細胞診法で検体を作製し、ベセスダシステムで判定した。hrHPV検査はAptima HPVで行った。件数による集計に加え、実人数でも集計した。
【結果】3年間の総検診件数は18,220件で、実人数では10,129人、年齢は18歳から90歳であった。細胞診の判定では、2件が細胞数不足のため不適正検体とされた。適正検体18,218件の中で、ASC-US以上の判定は894件(4.9%)で、年代別では20歳代で11.8%と最も高く、年代が高くなると低下した。hrHPV検査は274件行われ19件(6.9%)で陽性で、実人数では209人中19人(9.1%)が陽性であった。ASC-US以上の判定は、hrHPV陰性検体では255件中16件(6.3%)で、HSILの判定は1件もなかった。一方、hrHPV陽性検体では、ASC-US以上の判定は19件中11件(57.9%)と高頻度で、40歳以上の10件では判定は多彩でHSILは2件であったが、40歳未満の9件では、5件がHSILであった。hrHPV陽性者19人の中で、複数回受診の3人では、3年の間に細胞診の判定がNILMからLSILまたはHSILとなっていた。
【結論】若年者では、ASC-US以上の判定の割合が高く、hrHPV陽性の場合にはHSILの判定割合も高いことから、細胞診による検診が必要と思われた。実人数による集計からhrHPV感染率は9.1%と算出された。hrHPV陽性者では、短期間でもNILMからASC-US以上の判定になる場合があり、注意深い経過観察が必要と考えられた。