総合健診
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人間ドックにおける歯科・口腔がん検診の検討
横林 康男西谷 泰舟坂 雅春中西 博子田中 美保子林 隆行中嶋 郁栄津幡 拓
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 2024-09

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抄録

【目的】近年、わが国では口腔がんの罹患数は増加傾向にある。富山市医師会健康管理センターでは、2017年7月より口腔がんの早期発見のため、人間ドックのオプションとして、歯科・口腔がん検診を行なってきた。今後の検診のあり方、方向性を探るため、これまで行ってきた歯科・口腔がん検診の実績について検討を加え、その概要を報告する。

【対象と方法】期間は2017年7月から2023年6月までの6年間で歯科・口腔がん検診の受診者を対象とした。検診は毎週火・金曜日・不定期の日曜日の午前の1時間とし、検診内容は、看護師による問診、パノラマX線撮影、口腔外・口腔内の視診・触診(顎関節、歯周病、舌を含め口腔内粘膜)であり、最後に結果説明を行い、1人当たりの所要時間は15~20分であった。

【結果】総受診者数は1,252名で男性739名、女性513名で男女比は1:0.7であった。男性は40歳代が最も多く、平均年齢は57.2歳,女性は40歳代、60歳代最も多く、平均年齢は57.1歳であった。

 口腔がんは2名に認め、いずれも舌がんであり、口腔がん発見率は0.16%であった。口腔潜在的悪性疾患は24例にみられ、すべて白板症であった。その他の疾患の紹介は34例であった。

【考察】歯科・口腔がん検診は、口腔がんの早期発見に有効であることが分かった。今後も口腔がんの早期発見のため、検診、啓発活動を行っていきたい。

【結語】歯科・口腔がん検診につき、その概要を報告した。

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