日本総合健診医学会誌
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化学発光酵素免疫測定法 (ルミパルスフォルテ) によるHCV弱陽性検体について
中津川 正子神保 裕美子原地 千穂高橋 典子星 辰男
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キーワード: CLEIA法, HCV抗体低力価群
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2000 年 27 巻 1 号 p. 24-28

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抄録
総合健診におけるHCV抗体スクリーニング検査を凝集法から化学発光酵素免疫測定法に切り替え, 従来の結果報告を陽性/陰性の判定報告からカットオフインデックス (以下COI) 値による結果報告に代え, その評価をまとめた。1年間のHCV抗体検査依頼者7, 884名について, HCV抗体陽性例を2群 (暫定低力価COI値1.0~10.0, 暫定高力価COI値10.0以上) に分け, 各種HCV抗体検査との比較, 前回値との比較ならびに肝疾患との関連等について比較解析した。
陽性率は89名で1.16%, 暫定低力価は36名で陽性例の40%, 暫定高力価は53名で60%であった。
他法との比較では, 高力価群ではよく一致したが, 低力価群では不一致が目立った。
高力価群では肝機能異常を認め, 低力価群では肝機能の軽度上昇が見られた。
継続受診者の前年度との比較において, 変化は見られなかった。
よって, COI値により高力価, 低力価の結果報告は総合健診における継続受診者の経過観察に役立つものと思う。
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