総合健診
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健診における動脈硬化の検討
―頚動脈超音波検査の有用性―
望月 茂松岡 謙二宮永 實冨田 照見中川 善雄三崎 文夫小林 正夫井上 頴樹山本 泰司寅貝 良子宮川 律子前田 美菜子平田 由起子平川 茂北嶋 博之
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2003 年 30 巻 5 号 p. 526-529

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抄録
今回私たちは健診において頚動脈超音波検査 (頚動脈エコー) を用いて, 頚動脈の動脈硬化と, 胸部ヘリカルCT上の大動脈石灰化, 冠動脈石灰化との関連, 頭部MRI上の虚血性脳病変との関連, および動脈硬化の各危険因子との関連を検討したので報告する。
対象は2000年4月1日~2001年3月31日に当ドックを受診し, 頚動脈超音波検査, 胸部ヘリカルCT検査, 頭部MRI検査を受けた男性487人, 女性232人, 合計719人 (平均年齢58.6±9.9歳) である。
頚動脈硬化の有無と大動脈石灰化の頻度との関連, 冠動脈石灰化の頻度との関連では, 頚動脈硬化は大動脈石灰化, 冠動脈石灰化と有意に相関した。動脈の石灰化は動脈硬化に伴って認められることが知られている。
頚動脈硬化の有無と虚血性脳病変の頻度との関連では, 頚動脈硬化は虚血性脳病変と有意に相関した。
以上より, 頚動脈の動脈硬化を検索することは, 大動脈, 冠動脈や脳動脈の動脈硬化を推測するのに有用と考えられた。
次に, 動脈硬化の各危険因子の有無と頚動脈硬化の頻度との関連を検討した。
動脈硬化の危険因子のうち, 男性, 喫煙, 高血圧, 糖代謝異常, 高尿酸血症それぞれありの群では, なしの群に比較して, 頚動脈硬化の頻度が有意に高かった。
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© 日本総合健診医学会
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