人間と生活環境
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日常生活における「もったいない」意識と実際の行動
-女親・男親が20代の子に及ぼす影響-
松原 小夜子
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2013 年 20 巻 2 号 p. 111-119

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抄録

 20代若者とその女親・男親を対象として、日常生活における「もったいない」意識と実際の行動を捉えるとともに、親の行動および子へのしつけと、子の行動との関係および影響を分析した結果、以下の知見を得た。1)日常生活に関する「もったいない」意識は、子よりも親の方が高かった。2)実際の行動では、男性の子と男親において行動している項目は少なく、とりわけ男親では意識と行動の乖離が顕著であった。3)子へのしつけでは、全般に、男親よりも女親の方がしつけを行っているが、モノの修理に関しては、男親から男性の子へとしつける傾向にあった。4)両親の行動類型と子の行動類型との関係では、両親の行動が「高」の場合は、男女ともに、子も行動「高」となるが、両親が「低」の場合には、同じく行動「低」となることがわかった。5)親の行動および子へのしつけが、子の行動に影響を与え、女性の子では女親の行動の影響が強く、男性の子では、男親からのしつけの影響とともに、男親と女親の行動の影響もみられることがわかった。6) 省資源・省エネルギー的な生活を進展させる鍵は、男性の子および男親の行動にあると考察された。

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© 2013 人間-生活環境系学会
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