和食の料理番組においては、料理工程や完成時の画面に、字幕やテロップが使われる。本研究では、異なる文字色と背景色ならびに異なるフォントのテロップが用いられた8画面について、可読性やおいしさ感にどのような違いがみられるか調査した。女子学生27 名を対象に、SD法により検討した。因子分析の結果、おいしさ、可読性、楽しさ、くつろぎ、文字の弱さの5因子が抽出された。可読性では、文字と背景の明度(Y値)差がほぼ同一の場合、彩度(刺激純度)差の大きい方が評価が高かった。また、文字と背景の明度差と彩度差が異なる場合は、明度差と彩度差の大きい方が評価が高かった。さらに、おいしさ感では楷書体の評価が高く、赤紫や黄緑などを使用した多色使いのテロップのおいしさ感は評価が低かった。