人間と生活環境
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温暖環境下での人体の局所加温刺激が温熱生理・感覚反応に及ぼす影響
申 正和田村 照子
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1996 年 3 巻 1 号 p. 45-55

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抄録

本研究の目的は,人体に均一な局所加温を負荷した時の温熱生理的,心理的反応に及ぼす影響を検討することである。実験は,健康な成人女子4名を対象に、気温31±0.5℃,湿度 50±10%の人工気候室内にて行った。その結果,加温部位皮膚温は有意に上昇し,加温部位によって上昇度に有意な差,特に,下腹,腰では高い上昇がみられた。鼓膜温はほとんどの部位の局所加温により上昇または不変であった。前腕,足,上腕の加温で皮膚温の高い上昇がみられたが一過性の下降はみられなかった。手背,大腿の局所蒸散量は大腿より手背で著しく,いずれの部位の加温でも増加し,上腕,下腹,前腕で高い上昇がみられた。各皮膚温への影響としては四肢部の加温により発汗による体幹部皮膚温の著しい低下がみられるが体幹部の加温の場合はこのような傾向を認めなかった。人体の温熱生理的,心理的反応は部位によって異なり,体幹部より上肢部加温の影響が大であるといえる。

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© 1996 人間-生活環境系学会
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