人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第47回人間-生活環境系シンポジウム報告集
会議情報

沿岸部水族館室内における気中塩分に関する研究
*岩島 大季高田 暁天野 健太郎谷 英明野村 佳緒里前田 龍紀上田 真也山本 剛志松永 知大
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 155-158

詳細
抄録
本研究では沿岸部にある2 つの水族館の複数室において,空気中の塩分をインピンジャー法によって水中に捕集し,イオンクロマトグラフィーを用いてその水溶液のイオン成分濃度を検出することにより,室内の気中塩分濃度を測定した.その結果,室内の気中塩分濃度は1~230 μg/m 3 であった.室内の気中塩分濃度は,海水槽の無い室に比べて海水槽のある室で高く,外気の塩分濃度よりも高い場合が確認されたことから,室空気中の塩分は水槽の海水面から発生したものと思われる.また,室内空気と海水との接触面積が大きく,換気による外気導入量が少ない部屋ほど,空気中の塩分濃度は高かった.このことから、測定を行った水族館において室間の塩分濃度の差は,海水水槽からの塩分発生と換気の収支によって説明できる可能性が示唆された.また,室内空気中の塩分は,外気からの侵入よりも海水槽からの塩分生成が大きく寄与している可能性がある.
著者関連情報
© 2023 人間‐生活環境系学会
前の記事 次の記事
feedback
Top