抄録
聖マリアンナ医科大学総合診療内科(以下,当科)において入院中に死亡した 65 歳以上の高齢者患者における臨床像の特徴と急変時における延命治療についての事前意思確認を明らかにすることを目的とした。
2 年間に当科へ入院となった 65 歳以上の高齢者 216 名(うち死亡退院 22 名)を対象とした。
死亡群では近隣の医療機関からの紹介が 77.2 %を占め,非死亡群 44.3 % と比較し多かった。
入院の原因となった疾患 (以下,入院疾患)による死亡は 68.2 %で,内訳は肺炎が 46.7 %と最も多く,肺炎の診療は重症度を問わず主に当科で担っているためと考えられた。
急変時における治療方針については 95.5 %がDNAR (do not attempt resuscitation)であり,者本人の事前意思が確認できたのは 9.1 %であった。可能な限り本人の意思を尊重し多種職の医療チームとして対応することが必要と考えられた。