日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
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原著
要介護度改善を目指した介護クリティカルパス
岩下 由加里坂本 すが小林 寬伊
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2009 年 10 巻 2 号 p. 358-363

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抄録

 介護の目的は、自立支援である。介護を必要としている高齢者が、自分のことが少しでも自分でできるようになり、生きがいある老後を送れるような生活を確立することである。その目的を達成するために、多くの病院で普及しているクリティカルパスを介護領域に活用することにより、改善の効果を目指した。介護サービスでは、提供する介護スタッフによるケアのバラツキを最小限にとどめることが重要である。 今回、 介護の力で健康増進、 生活を整えること、機能訓練を中心にしたケアを標準化することにより、自立支援を目的とした日本初の要介護度改善介護クリティカルパスを開発した。その結果、要介護度改善クリティカルパスに基づいた介護ケアを実践することで、日常生活動作 Activities of Daily Living(ADL)の向上に成功し、要介護度の維持・改善が達成され、介護サービスでの質の標準化に貢献することができた。病院での医療の質を向上するために貢献しているクリティカルパスは、介護サービスにも有用であると考えられる。

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© 2009 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
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