日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
原著
血液がん化学療法におけるクリティカルパスを用いた医業収益シミュレーション
小松 恒彦木村 優子鞍馬 正江小関 迪
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 10 巻 2 号 p. 364-370

詳細
抄録
 悪性リンパ腫と急性骨髄性白血病(AML)に対する化学療法におけるDPC対応型クリティカルパスを作成し、支払い方式別の医業収益を推計した。対象レジメンは、悪性リンパ腫はABVD療法、Biweekly CHOP療法、R-CHOP療法、R-FND療法、AMLは寛解導入療法、地固め療法など60歳以上症例を対象とした4種類と、60歳未満症例対象の4種類で合計12種類を推計対象とした。医業収入は、出来高払いの場合は、診療報酬点数及び薬価とその実施回数から患者 1人あたりの収入を算定した。DPCによる包括払いの場合は、DPC点数に基づき計算した。原価は、クリティカルパスを構成する医療行為の材料費(薬剤費、臨床検査費、入院時食事療養費)と治療・ケアにおける医師・看護師の人件費を対象に算定した。悪性リンパ腫においては、入院日数の大幅な短縮によりDPC対応入院+外来化学療法では、従来の DPC非対応型クリティカルパスより患者1人あたりの収益は減少した。一方、AMLにおいては、DPC非対応型クリティカルパスよりDPC対応型クリティカルパスの収益が増加した。
 血液がん領域におけるクリティカルパスの導入は、病院経営の観点からも非常に有用であり、特にDPCを導入する病院においては、極めて重要な経営管理ツールになりうるものと考えられた。
著者関連情報
© 2009 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top