2010 年 10 巻 4 号 p. 570-574
本研究は、看護の必要量を測る尺度である看護必要度にもとづいて看護度分類に重みづけを行い、より簡便な方法によって看護人員配置を行うことが可能となりうる算定指標「看護量調整係数」を開発した。臨床研修病院 6 施設25病棟(内科、外科、混合、ICU)の入院患者延べ3,827名を対象に、看護度と看護必要度に関する横断調査を実施した(2006年10月)。対象者の平均年齢は66.8±16.9歳、平均在院日数は17.3±7.8日であった。看護度と看護必要度の関係から「看護量調整係数」を求めた結果、A-I=1.5、B-I=1.4、C-I=1.3、A-II=1.3、B-II=1.2、C-II=1.1、A-III=1.1、A-IV=1.1、B-III=1.0、C-III=1.0、B-IV=1.0、C-IV=1.0となった。看護の必要量が最も高い場合(A-I)は、最も低い場合(B-III、C-III、B-IV、C-IV)に比べて看護必要量が1.5倍になることが示された。