クリティカルパスに求められていることは、医療の質向上のみならず、医師の業務量削減や診断群分類(Diagnosis Procedure Combination、以下DPC)におけるコスト管理に役立つことである。従来われわれが使用してきたエクセル(マイクロソフト社)ベースで作成されたDPC対応血液がん化学療法クリティカルパスの手法を、電子カルテ(富士通 EGMAIN-GX)のクリティカルパス機能とレジメン機能を用い、DPC 対応全オーダー連動型電子クリティカルパスとレジメンに変換し運用した。医師のオーダー入力に要する時間は大幅に短縮され、誤投与のリスクも極めて小さくなると推測される。また、予めDPC収入に対する薬剤費と検査費をクリティカルパスとレジメンを用いて計算した後に承認することで、DPC 診療報酬に対する薬剤費割合の算出が容易となった。この方式を用いることは医療者の業務量削減と医療の質向上に有用と思われた。