日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
転倒転落事故予防に向けた入院患者の起き上がり動作分析 −第二報−
茂木 学松村 成宗山田 智広武藤 伸洋金丸 直義下倉 健一朗阿部 匡伸森田 佳子葛西 圭子
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2011 年 12 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

 入院患者がベッドから転倒転落する事故は件数が多いもののひとつであり、予防方法の確立が強く望まれている。実際、患者へのアセスメントやベッドセンサ等の対策を講じているにも関わらず、特に夜間、高齢者でインシデントが多く発生している。そこで、転倒転落事故を予防するために、NTT サイバーソリューション研究所と東京都内の病院が協力して研究を行った。第一報では、夜間における患者の起き上がり動作分析を行いその結果を報告した。

 本稿では、ベッドサイドでの転倒転落事故予防を目的とした「転倒転落予防ベッドシステム(みまもりベッド)」を構築したので、その概要と調査結果を報告する。本システムは離床の予兆を検知するとナースコールを発呼すると共に、音声で患者に働きかけ離床を遅らせるよう動作する。調査は1名の患者に対し5日間行った。この期間において本システムが自動的に発呼したナースコールは41回確認された。センサデータの分析と看護師へのヒアリングから、看護師への誤反応が多い等の課題はあるものの、反応タイミング・検知精度共に調査を行った範囲では十分な結果が得られた。

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