日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
事例報告
周術期の抗血栓薬管理に関する院内標準化
藤本 俊一郎平下 浩司渡辺 信之平松 匡文河内 雅章宮本 真和井上 秀幸池上 英文森 譲二平井 有美
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 12 巻 3 号 p. 161-168

詳細
抄録

 抗血栓薬の休薬・周術期対応・再開の院内標準化を図ることを目的に「抗血栓薬の周術期管理指針」を作成した。標準化は1)指針による多職種の業務の明確化と、2)多職種間での情報共有化を可能とする病院情報システムの改善で行った。指針は(1)治療科・処方科・薬剤部・看護部など、多職種での対応の標準化に用いる指針、(2)治療科としての対応に用いる抗血栓薬休薬同意書、(3)抗凝固薬内服患者における緊急手術指針、(4)処方科としての対応に用いる抗血栓薬休薬に伴うリスク説明書、で構成した。

 運用面では病院情報システム(電子カルテ・電子クリティカルパス)機能を活用することで、多職種間での情報の共有化が図れるよう設定した。

 現在、指針の活用は円滑であり、安全性の確保に有用であると思われる。しかし、血栓性イベント発症のリスクの低減のためには治療医・処方医が個々の患者の状態を分析し、患者と休薬の必要性とリスクについて十分に話し合い、合意を得て、方針を決定することが求められる。

著者関連情報
© 2011 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top