2012 年 13 巻 2 号 p. 81-85
久留米大学病院集学治療センター(血液・腫瘍内科)は入院患者の約7割が化学療法を受けている。また入院患者の約半数が60歳以上である。造血器腫瘍患者の化学療法は多剤高用量の抗がん剤を使用する。そのため、有害事象は強く長期に出ることが多く、患者の日常生活動作を制限し、臥床の長期化および廃用を引き起こす。そこで、患者の身体機能、日常生活動作の低下を最小限に留め早期に日常生活に復帰できるようにする目的で、リハビリテーション部と連携を図り早期リハビリテーション導入をシステム化した。その結果、早期のリハビリテーション介入が可能となった。また、今回の取り組みは各種専門職の協働のきっかけとなり、患者中心の医療を行う医療チームとして目標が共有されるようになった。さらに互いに専門性を理解し合い協働することで、医療の質向上につながると考えられた。