2012 年 13 巻 2 号 p. 86-90
全国の難病相談支援センターの相談記録を調査し、相談内容および対応(支援)について検討した。5,145件の相談を疾患別にみると、厚生労働省が指定する難治性疾患(難病)に関するものは3,314件(64.4%)で、そのうち神経・筋疾患が1,365件(26.5%)、免疫系疾患が491件(9.5%)、消化器系疾患が417件(8.1%)を占めた。相談事項は医療(28.9%)、介護(23.9%)の分野のみならず福祉制度(12.9%)や就労(14.7%)等に関わるものまで幅広く含まれていた。
対応は延べ5,914例みられ、相談員が制度の説明や疾患に応じた助言を行った例が2,898例(49.0%)、「傾聴」が1,141例(19.3%)、「他の相談窓口等の紹介」が1,023例(17.3%)であった。疾患も相談内容も多岐に渡っており、相談員個人の知識や経験のみでは対応が困難である現状が明らかになった。相談員の資質向上とともに相談員を支援する体制の充実が望ましいと思われた。