電子カルテにおける手術システムのDWH(Data warehouse)の解析を新しいインメモリ型ビジネスインテリジェンス(BI)データ解析ソフトを利用しシステムエンジニア(SE)の手を借りることなく自前で行った。
2010年の総手術件数10,005件のDWHから手術年月日、病棟、診療科、予定手術、緊急手術、手術件数、手術時間、医師を抽出した。出力項目は病棟別の手術件数、診療科別の手術件数、診療科別の手術室利用件数、手術室別の手術件数、総手術時間、麻酔科医の麻酔施行状況とした。データの二次利用は大きな労力を必要とするが、利用状況を容易に可視化でき、全てのスタッフが「手術室の利用状況」を容易に判断できた。表現される項目は「ドリルダウン」にて詳細に表示が可能で、診療科別の利用件数や総利用時間を容易に検索でき業務の可視化に貢献できた。次に評価軸を「スライス・アンド・ダイス」して手術室別に検討すると、手術件数と手術時間の積で表わされる手術室別の総手術時間は比較的均一であることが可視化され効率的に利用されていると評価された。さらに、ドラッグアンドドロップなどの双方向的な操作で可視化されたオブジェクトの個々においても検索できた。
手術部門のDWHの解析にBIソフトを用いることで再抽出・再取り込みなどの行程が除かれて一気にグラフにまで描出できる環境を得た。現場の細かな要望に答えることができ、手術システムの解析レベルを向上して手術室の運営に役立つものと考えた。