2013 年 13 巻 4 号 p. 203-207
国立病院機構横浜医療センターでは2010年4月の新病棟移転を機会に、電子カルテをはじめ各部門システムからなる「診療情報システム」が導入された。診療業務の全面電子化に伴い、治験業務も電子カルテと連動する「治験管理システム」を導入し、このシステムを中心に「診療情報システム」の利点を生かし、治験診療を、日常診療と差異なく行っている。
入院患者を対象にした治験(以下、入院治験)では、外来での治験の様に常に治験コーディネーター(以下、CRC)が関わることは困難であり、入院治験は各関係部署のスタッフが治験の実施内容を把握しにくいという問題点があった。そこで、入院治験実施にあたり、電子カルテシステムの機能である診療クリティカルパスに外来治験で活用している治験管理システムの利点を統合した入院治験クリティカルパスを構築した。これにより、CRC不在時でも治験関連病棟スタッフおよび関係部署への情報伝達・共有が円滑に行われ、質の高い治験が実施可能になった。