日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
データウェアハウスを活用した褥瘡管理システム導入と利用者評価
川本 俊治田村 律松田 守弘
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2013 年 14 巻 3 号 p. 121-126

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抄録

 今回、我々は電子カルテに入力された様々な情報をデータウェアハウス経由で活用する褥瘡管理システムを構築したので、その利用者評価を明らかにする。

 入力項目は栄養評価項目や患者 ADL 項目などをフィジカルアセスメント項目として標準化し、電子カルテの患者基本情報に組み込んだ。褥瘡管理システムの機能は褥瘡リスクスクリーニング、褥瘡リスク管理、褥瘡治療管理で構成した。褥瘡リスクスクリーニングはデータウェアハウスより該当項目を抽出し、診療計画書を作成した。褥瘡リスク管理では褥瘡リスク、疾病、身体情報を表示した。褥瘡治療管理ではDESIGNを使った褥瘡評価と褥瘡局所写真の登録を行った。

 システム稼働後半年時点で、看護師経験5年以上の242名を対象として利用者アンケートを実施した。その結果、褥瘡管理システムは利用者にとって「改善」と「やや改善」の評価比率は80%、「褥瘡ケアに対する意識」は95%が「改善」/「やや改善」と評価した。

 以上から、データウェアハウスを活用した褥瘡管理システムは、利用者の利便性が向上し、褥瘡への意識を向上させた。

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© 2013 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
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