日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
重症度・看護必要度に影響を与える病院管理指標に関する考察
桵澤 邦男
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2014 年 15 巻 2 号 p. 130-133

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抄録

 病院管理指標がどのように重症度・看護必要度に関連しているのかを明らかにし、重症度・看護必要度が高い患者を一定割合以上確保することで、重症度・看護必要度に関連する診療報酬(7対1入院基本料、急性期看護補助体制加算)を確実に算定すること、また、それに伴う病院経営安定化に向けた方法論を提示すること、を目的として調査を実施した。調査対象は地方中核都市に所在する300床規模の公的病院Aとし、調査対象期間は2010年4月〜2011年2月とした。公的病院Aの重症度・看護必要度、および病院管理指標(患者属性指標、患者数指標、緊急入院指標、診療行為指標)を活用し、重症度・看護必要度に影響を与える病院管理指標に関する分析を行った。病院管理指標の選定は、重症度・看護必要度に影響を与えると予測され、かつシステムより抽出可能なものとした。その結果、診療行為指標における手術件数および全身麻酔手術件数が多くなるほど、また、患者数指標における退院患者数が多くなるほど、重症度・看護必要度が高い患者が増加することが明らかとなった。重症度・看護必要度を一定の水準に保ち、適切に診療報酬を算定するためには、より多くの手術を実施すること、および退院支援スタッフを整備し看護の必要量をそれほど要しない患者については適切に退院させることが重要であると考えられた。

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