日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
DPCデータ、Quantum GIS(QGIS)を用いた地域医療分析の取組み
河合 貴子笠原 善郎田中 延善
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キーワード: GIS, 地域医療分析, DPC
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2014 年 15 巻 2 号 p. 124-129

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抄録

 福井県済生会病院の近隣には複数の病院が密集するが、医療機能や専門化などによる住み分けが十分にできていない。このため「地域に選ばれる病院」になるための戦略が必要である。その戦略目標を設定するために、DPCデータと地理情報システムを用いて入院患者の地域別分布図を作成し分析した。まずMajor Diagnostic Category分類による疾患群の入院患者や紹介入院患者を抽出し、その地域別分布図をメッシュデータあるいは地区別データで作成した。また脳神経センターの入院患者に限定したメッシュデータに連携医の所在地もプロットし、周辺地域の分布を調べた。更にメッシュデータによる患者密度の分布図を作成し、患者数の分布図との違いを分析した。分布図での地理的可視化により、当院がどの地域に医療を提供できているのか、また今後、医療の提供を提案できるのはどの地域なのかが詳細に把握できた。本分析により、地域医療連携における当院の「強み・弱み」を理解できたことは、今後の地域医療戦略の目標設定に有用となった。

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