日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
宮城県立がんセンターにおける生存確認調査
佐藤 真弓西野 善一片倉 隆一
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2014 年 15 巻 3 号 p. 189-192

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抄録

 2000年から2008年に宮城県立がんセンターで初回診療を受けた院内がん登録症例のうち2012年以降の生存状況が不明な3,499名に対し生存確認調査を行った。方法は、全国220市区町村への住民票照会および本籍地照会であり、死因を把握するために法務局への死亡診断書の記載事項証明の交付請求も実施した。調査による生存状況の判明率は住民票照会で99.3%であり、その後の本籍地照会で判明率は0.5%上昇し99.8%となった。交付手数料は、住民票照会で963,150円、本籍地照会で221,000円を要した。住民票照会では、ほとんどの市区町村は手数料を支払うことにより交付に応じたが、4市と1区からはいかなる理由でも地方独立行政法人への交付を拒否するとの回答で照会に応じなかった。また、交付に応じた市区町村でも対応や要求される書類、資料は様々であり個別の対応を必要とした。そのため多くの労力と時間を必要とし住民票照会のみで約3ヶ月を要した。しかしながら、国からの公的証明書を添付した本籍地照会では、労力および調査期間は大幅に短縮され調査期間は約1ヶ月であった。このことから、市区町村に対する住民票照会では、法的根拠もしくは行政機関からの通知等があることで、調査期間の短縮が図られ円滑な調査が実施できると考えられた。

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