香川シームレスケア研究会では2009年1月から脳卒中地域連携クリティカルパスをかがわ医療遠隔ネットワーク(Kagawa Medical Internet eXchange,K-MIX)を用いてデジタル情報での運用を開始した。
今回、急性期病院から回復期施設に転院後、退院した580名を在宅復帰群(407名)と非在宅復帰群(173名)に分類し、両群での日常生活機能評価をもとに、在宅復帰のための日常生活動作(Activity of Daily Living,ADL)を分析し、下記の結果を得た。
1 .両群ともに回復期施設退院時の生活自立度は急性期病院退院時よりも有意に高かった。
2 .急性期病院退院時、回復期施設退院時ともに在宅復帰群の生活自立度は非在宅復帰群よりも有意に高かった。
3 .日常生活機能評価の項目別の検討で、急性期病院退院時では「認知項目」、「寝返り」、「起き上がり」、「座位保持」、「食事摂取」が高く、回復期施設退院時にはさらに「移乗」、「移動方法」、「口腔清潔」、「更衣」も改善していた。
今回の検討で急性期病院退院時に「認知項目」、「寝返り」、「起き上がり」、「座位保持」、「食事摂取」などのセルフケア項目の自立度が保たれていれば、回復期施設でさらなる向上が期待できることが明らかになった。急性期病院での看護・ケア・リハビリテーションではベッド上動作、食事摂取などの生活動作の自立度向上に留意すべきであると思われる。
抄録全体を表示