2015 年 16 巻 2 号 p. 82-86
2010年から取り組んでいる、岡山県倉敷市児島地区での認知症地域連携クリティカルパス(以下、地域連携パスと記載)への取り組みを報告した。川崎医科大学神経内科と児島医師会が中心となり「児島神経疾患連携の会」を立ち上げた。ワーキンググループを選定し、医師会館にて地域連携パス作成を協議するとともに、定期的に学術集会を開いて、地域の医師・医療スタッフに対する啓発活動を行った。2012年5月から地域連携パスを正式に運用し、介護と医療の垣根が低くなった、介護からの情報が役立った、家族にとって思い出の一冊となった、などの効果がでている。本地域連携パスは冊子式ではなく、ファイル式にしている点が特徴であり、汎用性の高いものとなっている。今後の超高齢社会における地域連携パスのあるべき姿を示すひとつの参考になるのではないかと考える。