日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
北多摩南部圏域の多職種連携促進における在宅医療・緩和ケアカンファレンスの意義について
池田 登顕井上 俊之菊谷 武呉屋 朝幸田中 良典呉屋 弘美佐野 広美庄司 幸江須藤 紀子長島 文夫藤澤 節子佐藤 博之
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2016 年 16 巻 4 号 p. 185-189

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抄録

 在宅医療・緩和ケアカンファレンス(以下、本会という)は、北多摩南部医療圏にて多職種連携推進研修を開催してきた。今回、阿部らが開発した「医療介護福祉の地域連携尺度」を一部本地域に合わせて改変したものを用いて、本会の取組みを客観的に評価した結果、有用な知見が得られたので報告する。

 調査は、75名を対象とし多職種が集まる本会以外の研修会への参加頻度も含め、過去3年間で、「本会の研修会参加6回以上」、「本会以外の研修会も含めて6回以上参加」、「多職種連携の研修会参加6回未満」の3群に分け、連携尺度スコアをKruskal-Wallis検定にて検証した。post-hoc testとしては、Scheffe法を用いた。

 最終的に、15%以上の欠損値が存在した1名を除外した、74名の回答を分析した。過去3年間において、「本会の研修会参加6回以上」、「本会以外の研修会も含めて6回以上参加」、「多職種連携の研修会参加6回未満」の3群間における連携尺度スコアのKruskal-Wallis検定の結果、有意差がみられた。また、多重比較の結果「本会の研修会参加6回以上」群の連携尺度スコアは、「本会以外の研修会も含めて6回以上参加」群および「多職種連携の研修会参加6回未満」群と比較して有意に高かった(P<0.001)。

 地域での多職種連携推進には、その地域で開催されている研修会へ年2回以上の参加が推奨されると考えた。

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