日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
退院調整看護師が参加する退院支援カンファレンスの効果
依頼までの日数変化
丹下 みつる
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2016 年 17 巻 2 号 p. 72-74

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抄録

 聖マリアンナ医科大学病院メディカルサポートセンター(以下MSCとする)看護師(以下退院調整看護師とする)は、入院患者への退院支援と外来患者に対する居宅療養支援を主に行っている。先行研究では退院調整看護師による支援において、退院後の療養の場所により入院から依頼までの日数に差が認められた。その要因の一つは医療者の関わり方であることが明らかになった。退院調整看護師が参加する退院支援カンファレンスは、退院調整加算算定開始を機に2012年度4病棟から2013年度11病棟に増えている。今回、退院支援カンファレンスに参加することで得られた効果を明らかにした。支援件数は2012年度162件、2013年度166件だった。入院から依頼までの日数を比較したところ、入院から7日以内の依頼は2012年度50件(30%)であったが2013年度は72件(43%)に増加した。今回の研究により、退院後療養場所が自宅・病院・施設の症例において、入院から7日以内の依頼件数が増えており、支援患者の平均在院日数は短縮していた。退院調整看護師がカンファレンスに参加することで、入院時スクリーニング後の再アセスメントをする機会となり、また、カンファレンス参加者が退院支援に必要な知識を得ることができるため、入院7日以内の依頼数増加につながったと考えられた。

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