2016 年 17 巻 2 号 p. 75-78
飯塚病院では2011年10月、特別の療養環境に係る病室の患者に対し様々なサービスを提供する病棟コンシェルジュを導入した。当初は患者や職員からの認知が低く、利用が進まなかったため、「看護師の業務負担軽減」と「患者満足度向上」を目的として改善活動に取り組んだ。
導入時の主な業務は「身の回りの清掃や話し相手等の入院生活サポート」等だった。2012年3月のアンケート結果によると看護師認知率は78%、看護師業務委託率は54%、患者認知率は80%、患者利用率は60%と導入効果は低かった。
そこで、看護師業務負担の軽減策として入退院時の業務代行範囲の拡大を図り、患者満足度の向上策として買物代行業務等の患者がより望む業務を開始した。その後も業務の見直しを行い、コーヒーサービス開始や看護師以外との業務分担見直し等を実施した。
2012年2月〜8月の業務改善およびその後の活動によって、2013年6月には看護師認知率は93%、看護師業務委託率は93%に上昇し、病棟コンシェルジュ1名あたりの入退院対応業務時間(午前中)は31.0分/日から62.5分/日に増加した。また、患者認知率は100%、患者利用率は100%に上昇した。