日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
医師事務作業補助者の病棟回診記録入力補助におけるラダーチェック評価の活用
及川 知子丸山 尚嗣
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2017 年 18 巻 3 号 p. 176-179

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抄録

 船橋市立医療センターの医師事務作業補助者(当院呼称Doctor aid:以下、DA)が行っている病棟回診記録入力補助(以下、回診補助)は、回診内容の記録だけでなく、入院時指示の変更、処置内容や検査内容の入力、カンファレンス内容の記録も含まれている。しかし、扱っている疾患の特性や、回診時に行われる処置の内容が診療科毎に異なるため、DAによって入力内容の質に差が生じていた。そこで回診補助者の教育体制を確立し、業務の質を担保するため、新人(初めて回診記録入力補助を担当するDA)を対象にラダーチェック評価を行うこととした。2人組(新人DAと回診担当DA)で回診につくOJT(On-the-Job Training)研修を一定期間経た後、回診担当DAが新人DAのラダーチェック評価を行う。評価は3段階を設け、総合評価基準として各項目の半数以上が「できている」という合格ラインに達していれば、新人DAが独り立ちし、回診についても良いこととした。業務についてラダーチェック評価を行うことにより、新人DAは自分の到達レベルを把握することができ、客観的にも可視できるので有用であった。今後もDAが携わっている様々な業務について、高度な質を担保しながら、更に業務拡大していくことが医師から期待されている。

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