日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
医師負担軽減のための医師事務作業補助者の多様な補助形態の構築
吉永 拓真脇黒丸 倫奈齋藤 潤栄
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2017 年 18 巻 3 号 p. 180-183

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抄録

 公益社団法人鹿児島共済会南風病院では、医師事務作業補助者(ドクターズクラーク(Doctor's Clerk、以下 DC))の役割として、外来診療の支援業務、文書作成業務を中心に行ってきた。臨床現場からの要望に応えるべく対応し、医師からの依頼は増え続けてDCの残業時間増となった。そこで、外来診療密度の高い時間にDCを集中配置した。また、文書作成代行業務のマネジメント担当の配置を行い業務の効率化を図った。結果として、これまでDCを配置できていなかった診察室へもDCを配置することができた。また、2015年度の診断書記載件数は対前年度の7%増加、退院サマリー記載件数は対前年度の73%増加、残業時間を21%短縮することができた。

 さらに、データ分析サポート、臨床研究サポート、外国語サポートに焦点を絞り医師の支援体制の構築を図った。日常診療以外の支援依頼も多く、これらの期待が大きいことがわかった。急性期病院において多様な補助形態によるDCの取組みは、医師の負担軽減につながり、病院の発展に貢献できると期待している。

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© 2017 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
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