日本医療マネジメント学会雑誌
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原著
介護老人福祉施設に勤務する看護職の職務上ストレスとバーンアウトとの関連
須佐 公子郷原 志保
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2018 年 19 巻 2 号 p. 59-64

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抄録

 本研究は、介護老人福祉施設に勤務する看護職の職務上ストレス因子を明らかにし、職務上ストレス因子とバーンアウトとの関連を明らかにすることを目的とした。全国の介護老人福祉施設に勤務する看護職1000名に対し、郵送法による質問紙調査を実施した。その結果、職務上ストレス因子として、『仕事の量的・質的負荷』、『入所者・家族とのコミュニケーション』、『職場内の人間関係』、『他職種との連携』、『医師との関係』、『対応の困難』の6因子が抽出された。クロンバックのα係数が、0.524〜0.852であったことより、信頼性は確保されたと考える。また、職務上ストレス因子とバーンアウト下位尺度については、『仕事の量的・質的負荷』と「情緒的消耗」(オッズ比3.464倍)と、『職場内の人間関係』と「情緒的消耗」(オッズ比1.647倍)および「脱人格化」(オッズ比4.502倍)、『入所者・家族とのコミュニケーション』と「個人的達成感」(オッズ比1.573倍)の関連が認められた。

 これらより、介護老人福祉施設に勤務する看護職の職務上ストレスによりバーンアウトになるリスクが高いことが示唆された。この背景には、介護老人福祉施設の入所者の状況や職場環境などが影響することが考えられ、職務上ストレスの低減の方法を検討しバーンアウトを防いでいくことが必要と考える。

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