日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
事例報告
退院支援・退院調整を必要とする患者リストの作成とその有用性
東郷 えりみ岡本 泰岳
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 19 巻 2 号 p. 65-68

詳細
抄録

 トヨタ記念病院では退院遅延患者に対して、医療ソーシャルワーカーと地域連携室の看護師(以下、連携チーム)が関わり退院支援・退院調整を図っているが十分ではなかった。連携チームがこれまでより更に適切な時期に効率よく本業務に介入するには、有用な患者情報が必要だった。そこでデータ作成を業務としている診療情報支援グループは、退院支援・退院調整を必要とする患者リストを定期的に作成し、患者情報の提供を行うこととした。患者リストは、連携チームが早期退院を見据えた介入をしようと試みたため、長期入院の傾向調査後、拡大的に作成し提供を開始した。方法は、情報の抽出条件を入院20日以上の全患者とし、退院遅延要因の事前調査(現場看護師が容易に回答する形式)情報を添え、電子媒体で週1回リストアップした。結果、連携チームの適切な介入時期が図られるとともに、病棟スタッフの退院支援・退院調整への関心が高まった。そして、リストアップ開始後10ヶ月間で退院支援計画書作成数は164件増加した。また、全入院患者数に対する30日以上の入院患者においては62件減少した。この結果より、退院支援・退院調整において患者リストは、有用性のある診療情報であった。

著者関連情報
© 2018 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top