2020 年 21 巻 1 号 p. 14-19
本研究は母親役割を持つ看護師における看護の専門性を発揮できる職場環境の評価とその関連要因を明らかにすることを目的とした。A県内の18病院に就業中の母親役割を持つ看護師368名を対象に無記名自記式質問紙調査を行い、看護の専門性を発揮できる職場環境、関連要因として年齢、末子の子どもの年齢、労働環境を調査した。看護の専門性を発揮できる職場環境は日本語版NWI-Rの3下位尺度21項目を用い、年齢・末子の子どもの年齢・労働環境におけるNWI-R得点の群間比較を行った。
有効回答253名を分析した結果、NWI-R得点は3下位尺度のうち「看護師長からのサポート」が最も低く、次いで「看護ケアの質保証」「仕事上の条件」の順であり、看護師長からのサポートの改善の必要性が示唆された。NWI-R得点を群間比較した結果、看護の専門性を発揮できる職場環境の関連要因は認められなかった。