日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
多職種デスカンファレンスの効果
高齢者医療・終末期医療の在り方を多職種で検討する取り組み
本田 香
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2020 年 21 巻 1 号 p. 34-37

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抄録

 松江赤十字病院では高齢者の治療選択・終末期医療について、エビデンスに基づく実践や治療方針を多職種で考える機会は限られている。 そのような中、症例を通じた多職種デスカンファレンスについて、今後の高齢者の治療選択・終末期医療における多職種協働の普遍的な実践の示唆に有用と思われたため報告する。当該症例の担当であった5職種に対し、カンファレンスの目的、進行予定、協議ポイント等を記した紙、国内外の高齢者医療に関する文献を事前配布してからカンファレンスに参加してもらった。カンファレンス後、自由記述式のアンケートを実施し、学習効果の検討材料とした。アンケート結果からは、少なくとも治療方針決定における多職種協議の重要性を参加者全員が認識し、高齢者医療における今後の実践への示唆や発展性が得られたことがうかがえた。多職種での協議機会は、倫理的感受性および高齢者医療における各職種の実践の質向上に寄与できる可能性がある。

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