日本医療マネジメント学会雑誌
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事例報告
循環器内科診療における時間外労働
完全主治医制から複数主治医制へ
小西 正紹
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2021 年 21 巻 4 号 p. 224-228

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抄録

 電通過労死事件に端を発した「働き方改革」について、2017年3月28日には政府主導で「働き方改革実行計画」がまとめられた。医師の時間外労働は、医療安全への影響や割増賃金の病院財務に対する影響が問題となる。特に循環器内科診療においては急患、時間外診療は珍しくなく時間外労働は常態化している。対策の一つとして厚生労働省による「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」に「複数主治医制の導入」 が含まれその効果が期待されている。今回、完全主治医制で診療に当たっている病院で複数主治医制を導入した場合をシミュレーションし、時間外労働時間がどのように変化するかを検討した。高度急性期医療を担う横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センターにおいて平日5日間のタイムスタディを行った。スタッフ11人にアンケートを行い全員から回答を得た。18時以降の業務を時間外労働とカウントした。なお自己研鑚の時間はカウントから除外し解析した。時間外労働は1人・週当たり平均11.3時間であった。複数主治医制によるグループ回診の時間を一日1時間設け、病棟業務を当該時間に集中させるシミュレーションでは、想定される時間外労働は3.0時間(27%)減少し8.3時間となった。高度急性期病院の循環器内科診療において完全主治医制から複数主治医制へ移行することで時間外労働時間の減少を図れる可能性がある。

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