DPCデータ提出の要件化拡大によりDPC調査に参加する出来高算定病院数は増加し、2020年度の診療報酬改定では回復期リハビリテーション病床や療養病床にも拡大した。本稿ではこれらの病院を対象にデータ提出体制整備が財務面にどのような影響を与えるのかを検討した。
収益面では、病床規模・病院種類別にデータ提出加算・診療録管理体制加算を中心に収益シミュレーションを行った結果、病院種類別平均在院日数と算定頻度の違いから、一般型と療養型では年間点数で約2.7倍、一般型とケアミックスでは約2.2倍の違いが生じた。
費用面では、100床規模・療養型のX病院におけるシステム化見積もり10例から平均費用を算出した。結果、初期費用3710万円、保守費用396万円、5年総額5700万円、年当たり1140万円であった。加えて、新規人材雇用として診療情報管理士を配置する場合は年当たり359万円を必要とし、合計年当たり約1500万円であった。これは同規模の医療法人の事業収益に対して0.6〜1.5%、事業利益や経常利益では最小24%、最大84%を占める金額であった。
財務面を総合すると追加収益では人材雇用分への補填程度しか期待できず、特にシステム化費用が莫大となる点から、中小規模病院は長期的に事業利益の多くの割合を捻出する可能性が示唆された。