日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第67回春季研究発表大会
セッションID: U-02
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思弁デザインはいかなる未来を描くのか
*高安 啓介
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抄録

本発表は、未来研究でなされてきた未来の分類をめぐる議論にもとづき、思弁デザインの未来観について再検討をおこなう。日本では、スペキュラティヴ・デザインの名によって知られる仕事だが、本稿はこれを思弁デザインと短く訳して呼ぶことにする。出発点として確認したいのは、デザインの仕事はつねに未来にかかわる仕事だという点である。商業デザインは、市場の動向を見越して、製品サービスの開発をおこない、社会デザインは、理想の状態にむけて、問題解決のしかたを考える。これにたいして、思弁デザインは、未来にたいして普通とは少し違った関心をもつ。思弁デザインは、未来予想のもとでは浮かび上がらない、思ってもみない可能性をとらえようとする仕事であり、良いか悪いかの判別すらもできない可能性を人々に突きつけて、公共の議論をうながそうとする。思弁デザインとよばれる仕事や、思弁デザインに相応するアートがねらうのは、予想の未来でもなく、理想の未来でもなく、仮想の未来というべき可能性である。たしかに、思弁デザインの説明において未来はかならず語られるが、未来研究における分類論は、思弁デザインの打ち出してくる未来がいかなる意味をもつのかを考える手がかりとなる。

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