医療マネジメント学会雑誌
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結核患者におけるクリティカルパスの導入
教育指導の充実を目指して
佐保 咲恵子小野 富子柏木 純子芦刈 ひとみ多田 富子
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2000 年 1 巻 2 号 p. 126-129

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抄録
当院は, 1999年より業務の効率化, 治療・看護の均質化のためクリティカルパス (以下「CP」と略す.) を導入した.
当病棟は, 結核患者を有する呼吸器病棟で, 常に10人前後の結核患者の入院がある. CPは, 検査や在宅酸素導入などの短期入院で主に活用されている. 結核患者は, 長期入院となるためCPの導入は不適当と思われた.
しかし, 教育オリエンテーションツールや組織クオリティーアシュアランスを図るためCPは必要不可欠であると考え取り組んだ. 作成するにあたり感染予防, 抗結核剤の必要性・副作用などの教育・指導を重視した.
導入の結果, 看護の統一ができ, また, 患者からも「不安だったが説明をきちんと受け, 安心して入院生活を送れた。」, 「入院中の検査, 勉強内容の予定が事前にわかってよかった。」との声も聞かれ, 質の向上が図られた.
今回の成果を踏まえ, バリアンス発生時の活用見直し, コメディカルとの連携などの課題に取り組んでいきたい.
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