医療マネジメント学会雑誌
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当院における平均在院日数短縮の取り組みとクリティカルパスの導入
岡田 晋吾遠藤 明太貝塚 広史高田 竹人
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2001 年 1 巻 3 号 p. 209-214

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抄録

函館五稜郭病院は病床数636床 (内ドック7床) の一般総合病院である。医療環境の急激な変化に対応するため当院でも急性期型病院として平均在院日数の短縮、紹介率のアップを目指し平均在院日数短縮委員会や地域医療連携室を設置して効果を上げてきている。
今回我々は当院での平均在院日数短縮化への取り組みと外科病棟におけるクリティカルパス (以下CP) の導入について紹介し、術後平均在院日数の変化について検討したので報告する。
平均在院日数に関しては委員会の設置後在院患者数を減らすことなく30.3日 (1994年) から21.7日 (1999年) まで短縮することができた。これは積極的な空床利用をはじめとする全病院的な取り組みの結果であった。
またCPに関しては当初看護部門から導入されたものであったが、腹腔鏡下胆嚢摘出術のCP導入前後で比較すると術後在院日数が導入前平均9.97日であったのが導入後平均8.52日まで短縮していた。しかし医師のCPに対する協力が得られてからは平均6.73日と更なる成果が得られた。
今後もDRG (Diagnosis Related Groups) /PPS (Prospective Payment System) の導入など医療を取り巻く環境はさらに厳しくなるものと思われるが病院全体による取り組みと積極的なクリティカルパスの利用により十分に対応できる可能性が示された。今後当院でもCP委員会の設置や講演会などを積極的に行いCPに対する理解を深め活用し、地域中核病院として地域に質の高い医療を提供できるよう努力していきたい。

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